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ベトナム人スタッフと日本人駐在員の給与差
「50倍。川村さん、この数字の意味が分かりますか?
ベトナム人社員の1ヶ月の給与と私にかかる1ヶ月の諸々のコストを比べた時の差です。
50倍違うからこそ、ベトナム人スタッフではできないこと、そして私がいなくなっても進化し続ける仕組みをつくる責任があると思い、これまでやってきました。」
このメッセージは、3月末に帰任されたある食品メーカーの本部長(=Aさん)がおっしゃっていたものです。
実はAさんとは約5年間、社内の教育制度づくりに一緒に取り組んで来ました。
もちろん、Aさんは、教育制度だけではなく、生産、販売、マーケティング、、、などあらゆる制度の仕組み化にも取り組まれました。
その全てを5年間で形にし、実際に成果も上げていました。
日本本社としてもベトナム市場は重点市場の1つであり、ここで実績を残したAさんは、帰任後は更にチャレンジの場が用意されているとのことでした。
ベトナムで仕組みを作れる日本人駐在員は10%
「日本人駐在員の仕事はベトナム人スタッフではできない仕組みを作ること」
こんなことを書くと「それは当たり前だけど。。。」と思われる読者の方もいらっしゃると思います。
おっしゃるとおり、言うは易く、行うは難しです。
私が仕事をさせてもらった日本人駐在員の方は約50人ですが、その中でも仕組みを作った方は、5人です。
たった10%です。
多くが日常業務に追われて途中で挫折をするか、最初から仕組みをつくろうとしていない方でした。
私としても、折角お付き合い頂くのであれば、担当者の方が帰任された後でも、生成発展し続ける仕組みを作る支援がしたいと考えています。
ここからは「仕組みとは何か」「この両者の違いは何か」を以下に紹介します。
ベトナムで「仕組みをつくる」とは=「ルールをつくる」こと
「仕組み」というと、大げさなことに聞こえるかもしれませんが、至ってシンプルです。
それは、ある成果の再現性を担保するための「ルールづくり」です。
具体的には「ある条件の下で、ある成果の継続的な創出を目指し、関係者が守るべきルールを決め、守らせること」です。
例えば、「社内の規律を作るために、全員朝8時出社とする。」も身近なルールの1つであり、仕組みの1つです。
この「ルールづくり」、言葉にすると、簡単ですが、組織が大きくなればなるほど、思いのほか、難しくなります。
なぜなら既に社内ルールは無数に存在するからです。
その時、ルールを守らされる側のベトナム人スタッフはこう思います。
「何で新しいルールを増やすの?あなたは日本から来たばかりじゃないですか?私の方がベトナムのこと知ってますけど!」と。
ここで多くの駐在員は、「そうか、ではまだしゃしゃり出ないほうがいいな」と思い、日常業務に注力することになります。
しかし、仕組みをつくる駐在員は最初から思考が違います。
それは何でしょうか?
ベトナムで「仕組みをつくる駐在員」が持つ1つの思考軸
ここでは1つ紹介いたします。それは「未来思考」です。
仕組みを作る駐在員は、ベトナム人スタッフと見ている時間軸が違います。
スタッフレベルでは数日、マネージャー、GMレベルでも1年〜2年です。
しかし、仕組みをつくる駐在員は、少なくとも5年先のあるべき姿を描いています。
その上で今やるべきことを描き、社内を納得させることができます。
例えば、ある輸送機器メーカーの駐在員Bさんは、ベトナム市場の販路開拓を任されていました。
着任後すぐに「この市場は3年以内に飽和し、その後下降路線に入り、代理店の数も間違いなく減っていく。
だからこそ、作れや売れやではなく、各販路の強化、具体的には各代理店の販売力を高める取り組みをするべきである。」と見立てました。
この説明を聞いたベトナム人スタッフは「何言っているんだ?今も売れ続けているのに、そんなことになるはずがない」と反論しました。
この反応は当然でした。なぜなら、ベトナムという国自体が、成長期真っ盛りであり、市場が飽和するということなんて誰一人として経験したことがないからです。
経験したことがないことは、本人は想像することができません。
しかし、日本を始め、他国市場の動向をつぶさに調査していたBさんは、永遠と伸び続ける市場なんて存在しないことは理論的にも経験的にも理解していました。
だからこそ、Bさんの出番だったのです。
*ちなみに、そんなことを本社から言われた訳ではなく、Bさん自身が気づいたことです。
もちろん、ただ机上の空論であったわけではなく、実際の現場ヒアリングやデータを盛り込むことで、自身の提案を周囲に納得してもらいました。
その後、当初の見立てよりも早く2年後に飽和状態が来ました。
他メーカーは慌てて対応している一方で、Bさんたちは予め用意していたため、市場が飽和しても、シェアを高めることが出来ました。
このように、仕組みを作る駐在員が持つ特徴の1つは未来軸であることです。
未来軸で、ベトナム人スタッフでは出来ない貢献をする
以上が仕組みを作る駐在員に共通する思考の1つ「未来軸」でした。
もちろん、彼らが日常業務に追われていないかというと、当然追われています。
しかし、常に未来のあるべき姿に向けた「仕組みづくり」が頭にあるため、1日の業務の1時間〜2時間でもこの仕組みづくりのための時間を強制的に取っています。
その積み重ねで任期中に仕組みを作ることに成功しています。
最後に、本コラムの読者の方で、この仕組みづくりに関して、「より詳しい事例を事前に知って自社に活かしたい」「自分のアイディアの壁打ち」をしたいという方は、以下の無料相談会にお申し込みください。より詳しい事例を紹介いたします。
本コラムは以上です。また次回お会いしましょう!
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