ベトナム法人の「現地化」に向けて−1

10-09-2024

1.ベトナムのビジネス環境の変化に応じた現地化の必要性
最近、ベトナム法人のお客様からの問い合わせ内容を振り返っていました。特徴としては、現地法人が日本本社からの指示に従い、仕事を受託するだけでは通用しない場面が増え、何とか事業・組織を変えなければならないという危機感からのお問い合わせが増えています。業種は「ITオフショア」「商社」「製造」など、これまで、日本本社からの仕事をメインに受託し、それを納めることで法人経営を行ってきた業種のお客様からのお問い合わせが顕著です。「円安」「内需の増大」といった外部環境の変化から、これまでのベトナムになかった変化が訪れています。お客様からのお話を伺うと、「ベトナムの実情に即した“現地化”が求められている。そのキーパーソンである、当社で活躍しているメンバーが今よりも、更に自主的に判断し、行動できる“自律的”な組織づくりが急務なんです」という意見をよく伺います。

2.ベトナムの組織変革を進める際の段階的アプローチ
自律的な組織、現地のキーパーソンをどう育てるか、その方法を考える一方で、急激な変化には大きなリスクがあると認識しています。長く現地で働くメンバーにとって、これまでの方針からの転換が大きな負担に感じられることもあるため、場合によっては退職が相次いでしまうということも考えられます。そのため、段階的な変化を進めるアプローチが重要です。急速な改革ではなく、少しずつ変化を浸透させることで、組織の結束力を維持しつつ成長できるような支援を弊社も提案、支援をしております。

3.共通のゴール設定と定期的な振り返りの重要性
現地化に推進に伴い、目指すべきゴールも当然変わります。そのため、まずは組織全員で「目指すべきゴール」を明確にし、共通認識として持つことが不可欠です。更に、具体的な計画を立てて行動に移し、定期的に進捗を振り返ることで、全員が同じ方向に向かって進んでいるかを確認することが鍵となります。これは非常にシンプルで当たり前のことですが、実際にやり切るのは容易ではありません。次のコラムでは、具体的な振り返りの方法について、書いていきます。