【ベトナム現地化コラム】なぜすぐ「解決策(How)」に飛びつくのか?場当たり的な対応を防ぐ「問題特定力(Where)」

06-27-2026

在越日系企業の現地化推進、GOENと一緒に考えませんか。GOENでは、ベトナム在住15年超の知見と累計100社以上の支援実績から、現地化で悩む経営者の課題に向き合い、部門横断型の集合研修と次世代マネージャー育成プログラムで支援しています。

■ なぜ、ベトナムの現場では同じトラブルが何度も繰り返されるのか?

ベトナムの現場でトラブルが発生した際、現地のマネージャーが素早く対応してくれるのは頼もしいものの、「とりあえず謝罪して終わらせた」「担当者を代えて対応した」といった表面的な対処(How)ばかりで、根本的な原因が放置され、結局同じトラブルが何度も繰り返される……。日系企業の経営者から、こうした「場当たり的な対応」への悩みをよくお聞きします。

なぜ彼らは、本質的な問題解決に目を向けず、すぐに解決策(How)に飛びついてしまうのでしょうか。

■ ベトナム人の行動の謎を解く鍵は「スジ(根本解決)」と「量(影響の最小化)」の思考ギャップ

この行動の背景にも、日本人とベトナム人の思考体系の本質的な違いが表れています。

日本人の思考:「スジ」から入る
「問題が起きたら根本原因(Why)を究明し、プロセスを改善して再発を防ぐべきだ」というスジ(規範)を重んじます。

ベトナム人の思考:「量」から入る
ベトナム人スタッフにとっての「量」とは、「その問題が存在し続けることで、今この瞬間の自分にどれだけの影響(被害)があるか」です。その影響力の大きさを現実的に感じるからこそ、「とにかく今すぐ、その場で影響を小さくしたい」という心理が強く働きます。

そのため、その後の再発防止や「なぜ起こったのか(Why)」を考えるよりも、「問題が起きている今この瞬間を何とかする(How)」ことに思考が傾きがちになり、結果として場当たり的な対応になってしまうのです。

■ 【ベトナムの卸売業・C社様事例】ベトナム人マネージャーが「How思考の罠」から抜け出す

ベトナムの現場でこの「すぐHowに飛びつく癖」を自覚させ、真の問題解決能力を育成することに取り組んだのが、卸売業を展開するC社様です。卸売業は利益率が低いビジネスモデルであるため、納品時の商品欠陥(異物混入など)や債権回収の遅延といった問題への対応ミスは、会社全体の収益に直結します。しかし、現場では各部署が自部署の都合で動き、場当たり的な対応が散見されていました。

そこでC社様で実施したカスタマイズ研修では、「問題は特定できれば7割解決!」という強力なメインメッセージを軸に据えました。

まずは、日常業務のイライラを題材に、彼らが無意識のうちに「すぐ解決策(How)を考えてしまう罠」に陥っていることを体験を通じて自覚させます。その上で、いきなり対処するのではなく、「Where(どこに問題があるか) ➔ Why(なぜ起きたか) ➔ How(どう解決するか)」という3つのステップを踏むことを徹底的に叩き込みました。

■ ベトナムの現場で、自部署の都合から「会社全体の収益」へ

ベトナム人スタッフの育成で特に重要なのは、Where(問題の特定)の段階です。思い込みや感情を排除し、問題を「重要度」「緊急度」「拡大傾向」という3つの客観的なモノサシで評価し、「数字と事実(FACT)」に基づきプロセスを分解していきます。

そして、解決策(How)を考える際には、単に「検品回数を増やして安全性を高める(=コストが膨らむ)」といった自部署の都合による対症療法に走るのではなく、コストと効果のバランスを見極め、「会社全体の収益に貢献する基準」で判断することを徹底させました。

「とりあえず今すぐ対処する(How)」ことから脱却し、「あなたの現場で今、本当に解くべき問題は何ですか?(Where)」を特定する。この思考プロセスを共通言語にすることで、ベトナム人次世代リーダーたちは「今この瞬間の影響」だけでなく、「会社全体の利益」を守るための本質的なプロセス改善へと知恵を出すようになります。

ベトナム現地化を本気で進めたい経営者の皆様、GOENが伴走パートナーとして一緒に考えさせていただきます。