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「研修やったのに、何も変わらない」——その悩み、よくわかります
「去年、外部講師を呼んで研修をやったんです。その場では盛り上がったんですけど、3ヶ月経ったら元通りで…」
ホーチミンのある製造業の社長から、こんな話を聞きました。
研修に投資した。ベトナム人スタッフも真剣に聞いていた。でも現場は変わらない。これ、御社でも心当たりがありませんか?
実は、これはC社だけの問題ではありません。多くの在越日系企業が同じ壁にぶつかっています。
今回は、「研修1回で終わらせなかった」C社が、どうやって学びを組織文化として根づかせたのか。その道のりをお伝えします。
なぜ研修は「やりっぱなし」になるのか?
C社(製造業・従業員約200名)は、ベトナム人管理職のマネジメント力強化を目的に、年1回の集合研修を続けていました。
研修直後のアンケートは好評。「勉強になった」「やる気が出た」という声が並びます。
しかし1ヶ月後、現場を見ると何も変わっていない。部下への指示の出し方も、問題が起きたときの対応も、以前のまま。
なぜでしょうか?
答えはシンプルです。研修は「イベント」で終わっていたからです。
日常業務に戻れば、目の前のタスクに追われます。研修で学んだことを実践する「仕組み」がなければ、記憶は薄れ、行動は変わりません。
ベトナム人スタッフの教育において、単発の研修だけで人材育成を期待するのは、種を蒔いて水をやらないようなものです。
C社が変えた3つのこと——「文化」にするための仕組み
GOENがC社の支援に入ったとき、最初に提案したのは「研修の内容を変える」ことではありませんでした。
「研修の”後”を設計しましょう」ということでした。
具体的には、以下の3つです。
①「量」と「筋」でフォローを分ける
ベトナム人スタッフには、指示通りに動ける「量」タイプと、本質を掴む「筋」タイプがいます。C社では研修後、筋タイプの管理職を「学びの伝道者」として選抜。彼らが週次ミーティングで学んだことを部下に共有する役割を担いました。
②現地化した目標設定
「研修で学んだことを活かす」という曖昧な目標ではなく、「今月中に部下との1on1を3回実施する」など、本人がメリットを実感できる具体的なアクションに落とし込みました。日本のやり方を押しつけるのではなく、現地スタッフが「これなら自分のためになる」と思える動機設計が現地化の要です。
③Mind-Upの習慣化
月に1度、管理職が集まり「先月より一段上の視点で考えられたか?」を振り返る場を設けました。これがMind-Up——目線を上げ続ける文化の起点になりました。
1年後、C社に起きた変化
研修から1年後、C社では目に見える変化がいくつも生まれました。
まず、管理職からの「報連相」の質が変わりました。以前は「問題が起きました」という報告だけだったのが、「こういう原因だと思うので、こう対処したい」という提案が増えたのです。
次に、**離職率が下がりました**。特にリーダー候補層の定着率が改善。聞くと「自分が成長できる環境だと感じるようになった」という声が多かったそうです。
そして何より、**「育てる」が特別なことではなくなりました**。研修は年1回のイベントではなく、日常の中に組み込まれた習慣になったのです。
C社の社長はこう言いました。
「研修を”やる”ことが目的じゃなかった。”変わる”ことが目的だったんだと、ようやくわかりました」
組織文化の醸成とは、研修1回で終わらせないこと。日常の仕組みとして、文化に変えていくことなのです。
よくある質問
Q1. 研修後のフォローは、どれくらいの期間が必要ですか?
A1. 最低でも3ヶ月、理想は6ヶ月〜1年の継続フォローを推奨しています。行動が習慣に変わるには反復が必要であり、月1回の振り返りミーティングや週次の実践報告など、日常に組み込む仕組みがポイントです。
Q2. ベトナム人管理職への研修で、最も大切なことは何ですか?
A2. 「日本のやり方を教える」ではなく「本人がメリットを実感できる設計」にすることです。ベトナム人スタッフは、自分のキャリアや成長に直結すると感じたとき、驚くほど主体的に動きます。これが自律型人材を育てる鍵であり、真の現地化の第一歩です。
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