ベトナム現地化経営コラム:「“任せる勇気”が組織を変える」

10-16-2025

1. 「自分がやった方が早い」は成長を止める言葉


多くの日本人マネージャーが口にするのが、「自分がやった方が早い」という言葉。確かに短期的には正解です。しかし、それを繰り返すと、現地スタッフは“頼れば解決してくれる人”と認識し、責任を取らなくなります。結果として、チーム全体が上司の指示待ちになる。これはスキルの問題ではなく、上司の“任せ方”の問題です。

2. 任せることは“放任”ではない


任せるとは、単に仕事を渡すことではありません。ゴールと判断基準を共有したうえで、プロセスをスタッフに委ねることです。ベトナム人スタッフは、信頼されると驚くほど力を発揮します。ただし、最初から完璧は求めないこと。小さな成功体験を積み重ねることで、「やればできる」という自信が生まれます。

3. 任せる前に“期待”を伝える


多くのマネージャーはタスクを渡す際、「期限」と「内容」は伝えますが、「なぜその仕事を任せるのか」を伝えていません。スタッフにとっては「作業の指示」ではなく、「信頼の証」として仕事を任されることが重要です。「あなたの判断力を信頼している」「次のリーダー候補として経験してほしい」と言葉で伝えることで、仕事への責任感が一段と高まります。

4. “任せる文化”がベトナム人とのチームを育てる


現地化の最終段階は、“日本人がいなくても回る組織”を作ること。そのためには、スタッフに判断の余白を与え、失敗から学ぶ機会を保証する必要があります。任せる勇気こそが、チームを自走させる最大の投資です。

ベトナム現地化経営まとめ


任せるとは、信頼の表現であり、育成の最短ルート。
“自分がやった方が早い”を一度飲み込み、あなたに任せる”を選ぶ。
その一言が、現地チームの成長速度を劇的に変えます。