ミスをしたベトナム人部下には「ありがとう」

11-02-2024

「川村さん、ミスをした部下に対して、私はね、心から『ありがとう』を言いたい。」

そうおっしゃるのは、ある日系セットメーカーの社長の言葉です。先日、その社長との対話の中で、部下育成について非常に深い考え方を伺う機会がありました。

社長が強調されていたのは、ミスが起きた際に「部下を責めるのではなく、組織の『仕組み』に目を向けることの重要性」です。ミスをきっかけに、会社の改善点が見つかることをむしろ感謝すべきだと考える姿勢に、私は大きな学びを得ました。この「ミスに感謝する」という視点は、真の上司のあり方を示しているように感じられます。

ベトナム人部下のミスは「仕組みの改善」を促す貴重な機会

その社長の考え方は、単なる「叱責」ではなく、組織の成長につながる「改善」に目を向けることが上司の役割だと教えてくれます。例えば、部下がミスをしたとき「このミスが会社の仕組みの改善点を教えてくれた」と捉えられる上司こそ、一流であると感じました。

ベトナム企業における文化的な課題とその解決へのアプローチ

特にベトナムでは、ミスが起きた際に「個人」を責め、「人の入れ替え」で対処しがちな傾向があります。しかし、個人を責めるだけでは組織の成長が阻害され、同じ問題が再発しやすくなります。私たちの研修プログラムを通じて、この「人ではなく仕組みを改善する」という新しい視点を現地に根付かせ、組織全体の強化と個人の成長が両立する環境づくりに貢献したいと考えています。

「人を責めず、仕組みを責める」ことでベトナムの組織を強くする

ミスが起きたとき、それを個人の責任とするのではなく、組織全体の仕組みや指導方法に目を向けること。この視点こそが、組織の本当の強さを築く土台となります。今後も、この考え方を基にした研修プログラムを通じて、企業や組織の持続可能な成長を支えてまいります。