日常業務を通じてベトナム人部下を成長させるには? 〜持続的な成長を促す“グループ面談”〜

07-22-2024

「瞑想」から始める!?ベトナムの週次会議

「はい、それでは今日も心を落ち着かせる瞑想から始めましょう」。
このセリフは、ある企業での週次会議の開始時に、司会からの言葉です。
週次会議は、どこの企業でも行われているものです。

本来、週次会議とは、1週間の結果を振り返り、
次週に向けて部下からの改善提案を受け、評価する、という
部下の業務経験に基づいた「改善」と「人材育成」を狙った取り組みです。

しかし、実際には「上司が一方的に話をし部下は黙って話を聞いている」
という誰も望まない会議になっているケースが少なくありません。
では、どうすればいいのでしょうか?
ベトナム人部下は「自分で経験して学びたい」と考えている

前回のコラムでは、大人は何から学ぶのか?という調査の結果、
「自分の経験から学ぶ」と回答をした方が70%であったということを
お伝えしました。この調査結果から、大半の大人は、
「他人から教えられたくない!自分で経験して学びたい!」
という性質を持っていることが分かります。

では、日常業務を通じて日々、部下に蓄積されている「経験」を
どのように本人の成長へと繋げていけばいいのでしょうか。

しかも、できる限り会社からの負担もかけずに、です。
その回答の一つが冒頭に紹介をした、週次会議で行う「グループ面談」です。

ベトナムでも活用できる「グループ面談」の進め方
このグループ面談は、以下7つのステップで行われています。
①1分間の瞑想
②はじめに(24時間以内にあったありがたいことを共有する)
③フォーマット(*後述)に沿って、担当者ごとに今週の報告をする(ゴール→事前の計画→結果→振り返り→次の予定)
④他のメンバーは、感じたことを共有する
⑤担当者は、他メンバーの発言が終わった後、感じたことを共有する
⑥上記③〜⑤を参加者同士で繰り返す
⑦終わりに(感謝を共有する)

これだけです。実はこの7つのステップには、
参加者が「自ら気づき成長したくなる」仕掛けが散りばめられています。

大きく2つのポイントがあります。
1つ目が「事前に自分で週次フォーマットに、結果を記入すること」です。
このフォーマットへの記入は10分〜20分で終わるシンプルなものです。
「1.ゴール→2.今週立てた計画→3.結果→4.振り返り→5.来週の予定」。
これだけです。

事前に書くことで、自分から、
・内容の整合性が取れているか
・何が出来て、何が出来ていないか
が分かるフォーマットになっています。
つまり「セルフコーチング」になるのです。

2つ目のポイントが「他者から感じたことを共有し合うこと」です。
これはお互いに「かっこつけた助言やアドバイスをしない」
ということを意味します。

そうすることで、週次会議の場が「安心・安全の場」
を作り出すきっかけにもなります。

この場をつくることで、参加者同士、前向きな状態で、
お互いに感じたことを率直に話し合える関係性も作られていきます。

「グループ面談」は週次会議参加者全員の持続的成長を促す!

このグループ面談、実は、弊社も取り入れ、自社で運用を続けています。
更に、私自身は、他社の日本人管理職の方たちと、
週1・1時間でグループ面談を行っています。

その結果分かったことが2つあります。
1つ目が「管理職である私達自身も、経験から学んでいない」
ということに気付かされれたことです。

2つ目が、同時に「自らフォームに書き込み、他者と感想を共有することで、
確かな成長を感じられる」ということでした。

やはり、私達大人は、他者にとやかく言われるよりも、
自ら気づき、自ら成長したいんだということが、体験を通じて、分かりました。

弊社で、ベトナム人部下に対してこのグループ面談を行った際も、
上司である私がとやかくいうよりも、本人が自ら書き、発表することで、
本人の納得度が断然違うとうこと、そしてその後の改善行動に
繋がりやすいということが分かってきました。

教えるのではなく「やらせてみて、成長に気づかせること」
が肝要なんだと、改めて思う次第です。

この「グループ面談」は、「今すぐ」はじめられる
非常に費用対効果の高い人材育成法です。

「グループ面談」の様子を見学してみたい!という方は、
どなたでも見学可能な場を用意しています。

その場合は、お気軽に、以下フォームまでお問い合わせください。
それではまた次回のコラムでお会いしましょう!

https://forms.gle/a1tJufzpqoxnrmbf9

*「グループ面談」の考え方は、弊社のパートナーである鈴木利和さんの著作である
学びを最大化させるTTPSマネジメント」(ディスカヴァートゥエンティーワン・2021年)
より教えて頂いたものです。より興味がある方はぜひ書籍をご覧になってみてください。