ベトナム人ITエンジニア向けマネジメント研修を開催 ── 日系IT企業4社が合同で「専門家から管理者へ」の転換に挑む

07-17-2025

■ 背景:成長する日系IT企業、次なる課題は“人の転換”

ベトナムにおける日系ITオフショア企業は、設立から10年〜20年の節目を迎える企業が増えてきました。こうした企業の成長を支えてきたのが、日本人駐在者と共に現場を担ってきたベトナム人ITエンジニアたちです。現在、彼らがチームの中核を占める存在になりつつある一方、求められる役割も変化しています。企業がさらなる成長を遂げるには、プレイヤーとしてだけでなく、組織を動かす“マネージャー”としての力が求められる時代に突入しました。

■ 課題:肩書きだけが上がり、思考は“プレイヤー”のまま?

現場で成果を出し続けてきたベトナム人エンジニアが昇進した際、表面的には「管理職」としての肩書きを得ながらも、実際の業務は以前とほとんど変わらないままというケースが少なくありません。日々の業務は自分のタスクに追われ、部下育成やチーム全体の成果に意識を向ける余裕がない。これは本人の能力の問題ではなく、役割に対する“思考と行動の転換”が適切に促されていない構造的な課題とも言えます。

■ テーマ:「専門家から管理者へ」──意識と行動の転換

今回、GOENではこうした課題を共有する日系IT企業4社と合同で、ベトナム人中堅エンジニア向けのマネジメント研修を開催しました。テーマは「専門家から管理者へ」。業務の延長で管理職を務めるのではなく、“人を動かす側”へのパラダイムシフトを促すことが目的です。自分のスキルで成果を出すフェーズから、部下の力を引き出してチームとして成果を出すフェーズへの移行は、単なるスキルアップではなく、視点と思考の切り替えが必要となります。

■ 管理職に必要な3つの視点

今回の研修では、管理者として求められる思考を「視座・視野・視点」という3つのキーワードで整理しました。
1つ目は「視座を上げる」こと。個人視点から、会社全体の方向性やビジョンを見通す位置に立つこと。
2つ目は「視野を広げる」。目の前の課題だけでなく、1年後・3年後を見据えて判断できる力です。
そして3つ目は「視点を複合化する」。自分の立場だけでなく、部署・他部門・経営といった複数の視点で物事を見る柔軟性。これらを通じて、管理職としての役割を立体的に理解してもらう構成としました。

■ 講師:ベトナム人経営者経験者によるリアルな問いかけ

研修のファシリテーターには、ベトナムでの経営経験を持つベトナム人コンサルタント兼トレーナーを招きました。講師自身も元エンジニアからマネジメントを経験してきた人物であり、参加者と近い文化・経験を持つ立場から語られる言葉には深い説得力がありました。講義だけでなく、自ら考え、意見を交わしながら進める構成により、参加者は「自分にとっての管理者とは何か」を実感を持って言語化できる時間となりました。

■ 学びを“現場で使える力”に変える仕組みも設計

本研修は、学びの提供だけに留まりません。重要なのは、その気づきを各社の現場でどう活かすか。研修後には、各企業ごとにアクションプランを共有し、実務へつなげるプロセスまでを視野に入れています。「学んで終わり」ではなく、「学びが行動に変わり、成果を生む」ことを目指した設計こそがGOENの特徴です。今回も、参加企業の現場に変化の兆しが芽吹き始めています。

■ GOENの姿勢:「知識提供型」ではなく「成果創出型」研修へ

GOENが目指すのは、単に知識を伝える“インプット型”の研修ではなく、参加者の思考と行動が変わり、組織としての成果につながる“成果創出型”の研修です。特に今回のように、企業の成長ステージに応じてマネージャー層を再定義していくタイミングでは、こうした意識改革の場が不可欠です。今後も私たちは、ベトナムの現場に根差した実践的な研修を通じて、日系企業の組織進化を支えてまいります。