“任せた”と“放置した”の境界線
ベトナムで働く日本人マネージャーにとって、現地スタッフへの権限移譲は避けて通れないテーマです。しかし、任せたつもりが実際には放置となり、結果が伴わず「やはり自分がやるしかない」と逆戻りするケースが少なくありません。現地化の第一歩は、任せることを単なる“仕事の移譲”と捉えず、“成長の機会”として設計する視点にあります。
プロセスへの関与が信頼を育む
任せる際に重要なのは、成果物そのものではなく“プロセス”にどう関わるかです。例えば「顧客への提案資料を作る」という業務を丸ごと渡すのではなく、作成の途中段階でレビューを行い、考え方や構成を確認する。結果だけを見てダメ出しするのではなく、進め方を伴走することで、スタッフは「任されている」と同時に「支えられている」と感じ、安心して挑戦できます。
失敗は共有財産にする
さらに、人材育成に欠かせないのは「失敗を組織の財産化」することです。日本人マネージャーが個別に修正してしまうと、本人も他のメンバーも学ぶ機会を失います。失敗を共有し、なぜそうなったのか、次にどう改善するのかをチームで議論することで、組織の知恵として蓄積されていきます。
ベトナム現地化経営まとめ
現地化は“完全に任せて放置すること”ではありません。責任と権限を渡しつつも、プロセスに関わり、失敗を組織の学びに変える。その繰り返しが、真に自立した人材を育て、持続可能な組織づくりにつながります。ベトナムにおける日本人マネージャーの役割は、管理者ではなく、成長を支える伴走者なのです。