なぜベトナムでは報告が形骸化するのか
ベトナムで働く日本人マネージャーが最も悩むテーマの一つに、「スタッフの報告が簡潔すぎて実態が見えない」という問題があります。進捗報告が「大丈夫です」「問題ありません」で終わってしまい、細部が伝わらない。その結果、マネージャーが確認に追われ、スタッフは“聞かれるまで伝えない”姿勢をとりがちです。これは怠慢ではなく、日本とベトナムの仕事文化の違いに由来しています。
ベトナムでの報告を“型”で教える
この課題を解決するには、「報告の型」を教育と研修を通じて徹底することが有効です。たとえば、報告を「事実(Fact)」「原因(Cause)」「次の行動(Action)」の3点に整理させる。あるいは「数字」「出来事」「気づき」の3つを必ず含めるようにする。型を持たないまま「もっと詳しく」と求めても改善は難しいため、まずは共通のフレームを全員に浸透させることが第一歩です。
小さな習慣からベトナム人スタッフへ定着させる
会議の冒頭で、各メンバーに“1分報告”を課すのも効果的です。短い時間でも型に沿って伝える習慣を繰り返すことで、報告の質は格段に向上します。また、日本人マネージャー自身も同じ型で情報共有を実践することで、現地スタッフに「このやり方が当たり前なのだ」という認識を与えられます。
ベトナム現地化経営まとめ
現地化とは単に言語や慣習を合わせることではなく、「組織としての共通言語」をつくることでもあります。報告の型を教育・研修に組み込み、日常業務に習慣化させることで、情報が属人化せずに流れ、スタッフの思考力も鍛えられます。報告文化の定着こそが、ベトナムにおける人材育成の基盤となるのです。