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なぜベトナム法人では目標を立てても、動かないのか
多くの日本人駐在員が感じているはずです。「目標を共有したのに、なぜ動かない?」「方向性は合意したはずなのに、現場がバラバラに見える」――これは、単なる“伝え方”の問題ではありません。目標が本当に共有されているかを判断するには、「視座」「視野」「視点」が揃っているかどうかを確認する必要があります。
視座=どこから世界を見るか
視座とは「立っている位置」、つまりどの高さから全体を見ているかを示すものです。社長やGMは当然、会社全体の視座で物事を捉えていますが、ベトナム人マネージャーの多くは、自部署・自分の担当領域という“低い位置”からしか全体を見られていません。そのため、全社ゴールを伝えても、「自分には関係ない話」と受け取られてしまうのです。
視野=どれだけ広く・長く見ているか
視野とは「見えている範囲」です。時間軸で言えば、日本人マネージャーは半年後、1年後のKPI達成をイメージして行動します。しかし、ベトナム人管理職は「今週中にこのタスクを終える」「今月の数字を出す」といった短期目標に意識が集中していることが多く、長期的な成果にはつながりにくいのが現実です。
視点=どの立場から考えているか
最後に視点。ここでのズレは、日本人は「会社全体の立場」から話をしがちですが、現地スタッフは「自分の仕事」「自分の得意分野」から物事を捉えます。例えば「今期の売上を20%伸ばす」という目標があっても、「それは営業部の仕事でしょ」「自分の範囲じゃない」と他人事になってしまうことがあります。
ゴールの“すり合わせ”が、ベトナムの組織を一つにする
このように、視座・視野・視点がズレたまま目標を渡しても、G-PDCAの“G”は機能しません。逆に、この3つの軸を丁寧に合わせていくことで、ベトナム人マネージャーたちが「自分ごと」として目標に向かって動き出す土壌が整います。現地化の第一歩は、「目標の共通認識」ではなく「目標の共通視点」をつくることから始まるのです。