ベトナム現地化経営コラム:任せること≠放任すること

08-23-2025

ベトナムでの権限委譲の落とし穴

ベトナムで日本人マネージャーが悩むテーマのひとつに「どこまで任せるか」があります。現地化を進める上では、ベトナム人スタッフに権限を委譲し、意思決定を担ってもらうことが不可欠です。しかし、任せ方を誤ると、逆に現場の混乱やスタッフの不信感を招いてしまいます。

よくある失敗は「権限を丸ごと放り投げる」ケースです。日本人駐在員が多忙を理由に「もう自分で決めて」と言い放ち、サポートも仕組みも与えないままに任せてしまうと、スタッフは「責任だけ押し付けられた」と感じてしまいます。反対に、細かく指示しすぎて任せない場合も「結局信用されていない」と受け取られ、成長機会を奪ってしまいます。

仕組みと安心感をセットでベトナム人部下に渡す

任せるときに必要なのは「判断の基準」を一緒に渡すことです。例えば営業活動であれば、「値引きは最大5%まで」「クレーム対応は24時間以内に一次回答」など、明確なルールを示すこと。さらに、失敗したときにフォローする仕組みを用意しておけば、スタッフは安心して挑戦できます。任せるとは「安心できる枠組みを与え、その中で自由に動ける状態をつくる」ことなのです。

日本人とベトナム人の意識の違い

日本人は「暗黙の了解」の中で判断基準を共有する傾向がありますが、ベトナム人スタッフは「明文化された基準」がないと迷いやすい。この差を理解せずに「任せたから自分で考えろ」と言っても、現地スタッフはうまく動けません。

ベトナム現地化経営まとめ

現地化を成功させるカギは「権限委譲の仕組み化」にあります。任せることは、責任を押し付けることではなく、判断の基準と安心感を提供すること。駐在員がその環境を整えられるかどうかが、ベトナム人スタッフの成長と組織の自律化を左右します。