ベトナム現地化経営コラム:「“正解を探す”より“納得解をつくる”」

08-26-2025

正解主義の日本人・納得解主義のベトナム人

ベトナムで働く日本人マネージャーがしばしば直面するのは、「スタッフが自分で判断できない」という悩みです。会議でも現場でも、「この場合はどうしたらいいですか?」と確認が続き、なかなか主体性が育たない。背景には、日本とベトナムの「正解」に対する考え方の違いがあります。日本のビジネス文化は「一つの正解」を導き出す傾向が強いと言われます。プロセスを細かく整え、例外を減らし、正しい答えに近づけていく。一方ベトナムでは、状況ごとに柔軟に対応し、「その場を収める解決」を重視する傾向があります。つまり、日本は「正解主義」、ベトナムは「納得解主義」と言えるでしょう。

ベトナム法人の権限委譲の現場で起きること

例えばクレーム対応の場面。日本人マネージャーは「マニュアルに沿った正しい対応」を求めますが、ベトナム人スタッフは「お客様が納得して落ち着けばよい」と考える。このギャップが、「自分の判断で動くと怒られるのでは」という不安を生み、結果として指示待ちにつながります。

日本人マネージャーがベトナム人スタッフに取るべきアプローチ

ここで重要なのは、「正解を押し付ける」のではなく、「納得解を一緒につくる」姿勢です。判断基準を伝えるときに、「完璧でなくてもいい。お客様が満足し、会社の方針に沿っていればOK」という枠を示すことで、スタッフは安心して判断できるようになります。さらに、判断の過程を会議で共有し、学び合う仕組みを設ければ、現地スタッフは徐々に自分の中に「正解の軸」を育てていきます。

ベトナム現地化経営まとめ

現地化を進めるには、「唯一の正解」を探す日本的な思考をそのまま持ち込むのではなく、「現場が納得する解決を積み重ね、共有していく」文化を育てることが大切です。駐在員の役割は、正解を指し示すことではなく、スタッフが自分の判断で納得解をつくれるように環境を整えること。これが、ベトナム人材の自律的な成長を促す土台となります。