ベトナム現地化経営コラム 「数字管理が人を育てるとは限らない」

09-02-2025

数字だけではベトナム人は動かない

多くの日本人マネージャーは、ベトナム現地法人でも「KPI」「売上目標」「達成率」といった数字を前面に出してマネジメントを行います。確かに数字は客観的で分かりやすい指標です。しかし、数字ばかりを追いかけると、現地スタッフは「数字を上げること=上司を満足させること」と理解し、短期的・表面的な行動に終始しがちです。そこには本来期待していた「主体的な成長」が生まれにくいのです。

日本とベトナムの数字への向き合い方の違い

日本人にとって数字は「約束」であり、目標未達は信頼に直結します。一方でベトナム人にとって数字は「交渉可能な目安」である場合が多いです。「できるだけ近づければよい」と考えるスタッフも少なくありません。この認識の違いを理解せずに「数字で管理する」だけでは、すれ違いが生じるのは当然です。

プロセスをベトナムでも可視化する工夫

人材育成の観点で重要なのは、数字そのものではなく「数字をつくるプロセス」に目を向けさせることです。例えば営業であれば、訪問件数・商談準備・提案の質といった行動をプロセスに含める。製造部門であれば、改善提案やチーム協力の度合いをチェックポイントにする。こうした“プロセス評価”を組み込むことで、スタッフは「どうすれば成果を出せるのか」を学び取るようになります。

成長実感がベトナム人のモチベーションを生む

ベトナム人スタッフは、自分の成長やスキル向上を実感できるときに強いモチベーションを持ちます。数字だけではなく、「以前より商談準備が丁寧になった」「チームでの段取り力が上がった」といったフィードバックを与えることが、彼らの自信と挑戦意欲を引き出します。

ベトナム現地化経営まとめ:数字は道具、育成は目的

数字は管理の道具にすぎません。本当の目的は、数字を通じて人を育て、組織全体の力を高めることにあります。現地化経営では、数字と同時にプロセスを評価し、成長実感を与える仕組みを設計することこそが、日本人マネージャーに求められる役割なのです。