ベトナムの現場では「指示待ち」「上司の顔色を見る」「判断しない」といった行動が見られます。しかしこれは、本人の性格ではなく、文化 × 組織構造 が生み出す行動パターンです。
Mục lục bài viết
1.ベトナム社会に根づく“目上を立てる文化”
家庭・学校・社会の基盤として
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年長者への敬意
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指導者への服従
が強調されてきたベトナムでは、職場でも自然と
「上司が正解を持っている」
という前提が形成されます。
2.上司が“最終決定者”として扱われる組織設計
日系製造業の多くでは、品質判断・顧客対応・納期調整・部門連携などが最終的に日本人管理者に集約します。
すると現地スタッフは
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判断しないほうが安全
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上司に確認したほうが確実
と学習し、“依存型行動”が習慣化します。
3.評価制度が上司依存で、行動がゆがむ
ベトナムの多くの企業では、評価制度がまだ完全に体系化されていません。
そのため評価基準が曖昧で、
「成果」ではなく「上司からどう見られるか」
が行動の中心に置かれがちです。
これが「上司ウケ行動」を助長します。
(参考:JILPT研究レポート:日越企業比較分析)
出典:jil.go.jp
4. “失敗への恐怖” が挑戦を抑え込む
失敗に強いネガティブ反応を示す上司がいる環境では、スタッフは
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自分の判断 → 失敗 → 評価ダウン
を避けるため、最初から判断しません。
「上司のOK」が心理的安全装置になる のです。
5.事例:階層別研修で“上司依存”を改善したベトナムの製造業のケース
ある日系製造業(公表事例、ベトナム HR コンサルティング会社レポート)では、上司依存が深刻化し、現場停滞が常態化していました。
そこで企業は以下の改革を実施しました:
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役割・判断基準の明確化
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リーダー層向け階層別研修の実施
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OJT トレーナー制度を導入し、任せる範囲を拡大
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日本人側の“任せ方”研修もセットで実施
その結果、
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ベトナム人スタッフの改善提案数:月1件 → 月10件以上
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日本人への相談件数:40%減
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生産ラインでのボトルネックが大幅改善
となりました。
(出典:ベトナム HR Insights / SPACE A コンサルティング ケースレポート)
6.解決策は“上司依存構造”を壊す仕組み化
ベトナム人スタッフが上司を気にしすぎるのは
性格ではなく、構造がそうさせている からです。
改善には次の仕組みが必要です:
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判断基準の明確化(何を・どこまで任せるか)
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階層別研修で役割と期待行動を言語化
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上司側の介入を減らす習慣化
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評価制度の透明化
構造が変われば、スタッフは“上司”ではなく“目的”を見て動き始めます。
まとめ
ベトナム人スタッフの「上司依存」は個人の問題ではなく、文化・組織・評価・リスク設計の副産物です。
階層別研修と役割明確化を軸に設計し直すことで、組織は驚くほど自走し始めます。