【ベトナム人育成コラム】成長したい!とは言うものの。。。?

12-26-2023

お世話になっております。
GOEN ビジネストレーニングの川村です。

本コラムは【今いる人材で非凡な成果を上げる組織のつくり方】をテーマにベトナムにおける事業・組織づくりにお役立て頂ければと思い、配信いたします。

今回は「面接で”成長したい!”とは言うものの。。。」です

1. 「成長したい!」と勇んで入社したスタッフAさん

今回は、北部に製造拠点を構える弊社のお客様(A社)が総務リーダーを採用された際の事例です。

「会社における成長とはなにか?」を考えさせられる非常に学びが多い事例のため、本メルマガでご紹介いたします。

A社は、事業拡大に伴い、総務リーダーを採用することになりました。
その中で、Xさんという方と出会いました。就業経験2〜3年目のまだ若い方です。
総務の経験もそれほど多くはないのですが、入社面接時には「成長したいです!一生懸命働きます。」と、その熱心さを買って、入社してもらうことなりました。

その後、Aさんはどうなったでしょうか?

2. 退職理由=できないことが多いから

結果として、大変残念ではありますが、試用期間中に退職することになったそうです。

理由を聞くと「想像した以上に仕事が難しく、できないとわかったからです」とのことでした。

それを聞いた担当者の方が「Xさん、面接では”成長したい”と言っていたよね?まだ諦めるには早いんじゃないか?」と話しましたが、「できないことが多いと大変なので、できることをしたいです」といって退職されたとのことでした。

3. 【成長とは何か】「成長」とは「(経験を通じて)できないことができるようになること」

こうしたご経験、本コラムの読者の皆様も大なり小なり経験されたことはあるのではないでしょうか。私自身もあります。

この事例を通じての学びは、大きく3つあります。

成長とは何か?」「成長するための必要条件」「社内でどう成長させるか?」です。

まず「成長とは何か?」です。
一言でいうと「(経験を通じて)本人ができなかったことが、できるようになること」です。

「そんなの当たり前じゃないか」と思われた方もいらっしゃると思います。
ただ、実際に会社に入り、持続的に成長していける方はそんなに多くはないのでしょうか。
なぜかというと、多くのベトナム人スタッフが考える「成長」の定義と上記の成長の定義にズレがあるからです

4. 一般的なベトナム人スタッフが考える「成長」=インプットだけで完結しまいがち

私自身も試行錯誤を経る中で、一般的なベトナム人スタッフが考える成長とは、「知らないことを知ること」「理解できなかったことが理解できること」と考えていると思います。

学校の勉強の延長線上で考えると、その定義を会社でも当てはめるとそうなります。

この定義を一言でいうと「インプットする」ことになります。
インプットは、本来、人間の性質として、非常に楽しいものです。
知的欲求が満たされるからです。

5.【成長するための必要条件】会社が求める「成長」をするためにはプレッシャーを乗り越える必要がある

しかし、会社で求められる成長とは更にその先にある「アウトプット」です。

このインプットから、アウトプットに至る過程で「できなかったこと」が「できるようになる」。これが会社で必要な成長です。

この過程では、当然、プレッシャーが本人にかかります。
例えば、「上司からの期待されているのは分かるし、納期も迫っている。でもまだできていない、どうしようか。。。?」といったものです。

プレッシャーは一般的には忌避されるものとして捉えられがちです。
しかし、人間が成長しようと思ったら、どうしてもついて回るものであり、これを乗り越えた先に、できるようになる=成長が待っています。

6.【社内でどう成長させるか】適切なプレッシャーの与え方=チャレンジゾーンのプレッシャーを与える

もちろん、強すぎるプレッシャーは本人が潰れてしまいます。

スタッフに成長してもらうためには、本人が現時点ではできないと思っていても、頑張ればできそうと思えるレベル=105%〜110%くらいの課題を与えることが上司の役割になります。これは「チャレンジゾーン」の課題と呼ばれています。

例えば、ある日系レストランでの取り組みとして、スタッフが一人前にお客様の前で接客ができるようになるためのステップを15ステップに分けています。
そうすることで、本人が今何ができていて、できていないかを可視化できるようにしています。

また、ある日系メーカーの営業職では、最初の1ヶ月でできるようになって欲しいことをリスト化し、それを毎日できるようになったかを上司が新人に対してチェックし、指導する体制を作っています。

また、ある日系IT企業では定期的な「1on1面談」を仕組みとして導入されています。
部下が経験を通じて学んだことを、上司からの面談によって引き出し、それを成長につなげていくための取り組みです。

このような事例を拝見し、入社後の新人に対して、会社からの期待を明確化することで、本人の成長意欲が刺激され、「やってみよう!」というチャレンジ精神が引き出されるのだと思った次第です。

【まとめ】明日からすぐにできること

以上、「成長とは何か?」「成長するための必要条件」「社内でどう成長させるか?」を書かせていただきました。

本メルマガの読者の皆様にすぐに使える、できることとしては、スタッフに対して「成長とはなにか?」の定義を揃えること。

そして、「成長するには、プレッシャーが必要条件になるということ」「プレッシャーを嫌がらず、乗り越えることで成長していこう!」ということを共有することがすぐに始められることです。

一度、成長サイクルに入ったスタッフは、プレッシャーを楽しめるようになり、自然と成長していくようになります。

来年度に向け、期待する社員には、ぜひこれらのことをお伝えしてはいかがでしょうか。

本コラムは以上です。また次回お会いしましょう。

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