お世話になっております。
GOEN ビジネストレーニングの川村です。
本コラムは【今いる人材で非凡な成果を上げる組織のつくり方】をテーマにベトナムにおける事業・組織づくりにお役立て頂ければと思い、配信いたします。
今回は「自由が不自由だと訴えるベトナム人スタッフ」です。
Mục lục bài viết
1.「目標だけは与える!あとは自由にやってOK!」
今回は、あるBtoC向け消費財メーカーの事例です。
先日、日本人CEOの方からご相談を頂きました。
こちらの企業様は、ベトナムで生産した自社商品を、ベトナム国外だけではなく、ベトナム国内向けにも販売されています。
営業担当者はベトナム全土に約60人の陣容です。
年初に、社運をかけた新商品をベトナム市場に投入することになり、ある日本人社長(以下、A社長)がベトナムに赴任することになりました。
A社長は日本で大変優秀な実績を収めてきた営業出身の方です。
そのスタイルは、他者から干渉を受けずに、自分で考え、工夫し、目標を達成してきたというものでした。
そのため、ベトナム法人におけるマネジメントは「自分がされて嫌なこと=他者からあれこれ干渉されること」はしないと決めていました。
その後、ベトナムに赴任し、ベトナム人営業マンにこのような指示を出しました。
「会社から皆さんに販売戦略と目標だけは与えます。中間指標としてのKPIも設定はします。しかし、それをどう達成するかは皆さんの創意工夫に任せます。」というものでした。
その後、ベトナム人営業マンたちは目標を達成したのでしょうか……?
2.ベトナム人スタッフが訴える「自由が不自由である」とは?
その後、1年が経ち、結果として、60人のうち、6人しか目標達成ができませんでした。
目標未達の理由を未達だった営業マンたちに聞くと、A社長にとって、驚くべき答えが返ってきました。それは「自由であることが、不自由を感じる。」というものでした。
「確かに、最初は自由にやってくれと言われて嬉しかったです。なぜなら、自分の自由な発想で仕事ができると思ったからです。でも、実際に、目標達成に向けて仕事をしようとすると、何をすればいいのかさっぱり分かりませんでした。もちろん事前に新商品の機能や特徴についての勉強はしました。しかし、どうやって販売していくかについては、自分なりのやり方をやってみましたが、うまくいきませんでした。では、どう改善すればいいのか?となった際に、アイディアが出てこなかったんです。上司に聞いても、自分で自由に考えろと言われてしまうので、そのまま時が流れていきました……」
3.「自由」=何でも自由に考えて!は上司の職務放棄
この事例から学べることは何か。
それは「なんでも自由に考えて!」は上司の職務放棄であることです。
自由に発想するためには、その前提となる知識や経験が必要になります。
例えば、卓越した結果を残した人に対して、私たちは「あの人は規格外だ」「型破りだ」といった表現をします。
この表現には、「規格」「型」が隠れた前提として存在しています。
会社に置き換えると、社員が自由に創造性をもって働き、結果を出すためには、会社としての「仕事の型」が前提として必要だということです。
4.選択肢がある自由の中でこそ、創造性が育まれる!
ではA社長はその後、どうしたのでしょうか。
弊社にご相談を頂いた後、会社としての「型作り」に取り組みました。
具体的には、A社長や目標さえ与えれば目標達成できてしまうような優秀な方が、それぞれの営業ステップで何をしているのか。それを言語化しつつ、普通の人材でも実行できるようにするためにはどうすればいいのか?
それをひたすらに膝を突き合わせ、考え、約3ヶ月をかけて型をつくっていきました。
そして作り込みすぎず、敢えて「余白」もつくった部分もあります。
どういうことかというと、選択肢を作るということです。
例えば、「お客様と商談中には、A,B,Cという話の進め方がある。それぞれの選択肢にはこういうメリットがある。どれを選ぶかは、実際の商談であなたが選んでください」といったものです。
これを「選択肢のある自由」と呼び、実際の運用をしました。
この型作りのところでGOENも伴走させていただきました。
5.「型」が自社に設計されていることが、事業発展の肝!
A社長は、会社としての型=「選択肢のある自由」を無事に作り込むことができました。
その後の結果についてはどうなったでしょうか?
小説であれば「すぐに結果が出て、ハッピーエンド!」となるところですが、本件は現在進行形の事例です。
結果については、今まさに検証中ではあります。
しかし、運用後に、再度営業マンたちにインタビューをするとこんな意見が出てきています。
「この型が書かれたテキストを見ると、営業がそれぞれの場面で何をするべきなのかが分かるようになりました。その結果、営業中に迷わなくなり、自信を持てるようになりました。それまで、自分はベトナムの会社で感覚とネットワークで仕事をしていたけれども、この日本の会社だと、ここまで営業を論理的に考えるんだとわかり、非常に勉強になっています。日系企業に入ってよかった。」
この型を使い込んだ営業マンからは、「この場合はこうした選択肢もあるのではないか?」といった、新しい選択肢を提案する創造力も発揮されてきています。
6.【まとめ】明日からすぐにできること
以上、「選択肢のある自由が創造性を発揮する」について書かせていただきました。
読者の皆様も、業務を部下に丸投げしていませんか?
型づくりは、企業を持続的に発展させる非常に重要な取り組みになります。
もしより深く聞いてみたいという方は、下記の通り、無料相談会を実施しておりますので、お気軽にお申し込みください。
今回は以上です。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
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