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ベトナム進出のきっかけは、魅力的なベトナム人経営者との出会いから
私がベトナム進出を検討し始めた時期は2012年頃です。
当時は、リーマンショック、震災などによって日本の景気が悪い時代。
その中で、東京本社の部品加工事業をさらに成長させるにはどうすべきかをずっと考えていました。
そんな時に、取引銀行からのお誘いで、ASEANの視察ツアーに参加しました。その視察の中の1つがベトナムだったのです。
それまでベトナムには何の縁もありませんでした。
しかし、視察を通してベトナムの街にあふれる活気とそれを生み出しているベトナム人の方たちに非常に興味が湧きます。
その後、独自にベトナム視察を重ねる中で、当社と同様の部品加工業界で、「この人と仕事をしてみたい!」と思わせるベトナム人経営者の方たちと運良く巡り合います。

もちろん、仕事としてお付き合いをする中で、最初から全てが上手くいったわけではありません。
しかし、彼らがもつポテンシャルを最大限活かしたい。
そうすることで、当社の事業も、これまで以上に大きく成長できるのではないか、そう考えるようになりました。
ベトナム事業で「やらないこと」=ベトナムに来てまで「縮小再生産をしない」
素晴らしいベトナム人経営者との出会いがきっかけで、当社として、本格的なベトナム進出の検討を始めます。
しかし、事業を立ち上げる上で、必要な資源は一見すると無い無い尽くしで、ベトナムに顧客がいたわけでもありません。
更に、サプライヤー候補となるベトナム人経営者とのネットワークもまだ未発達。
そして、ベトナムで事業を創っていく当事者も私以外にはいない。
そんな中、出会ったのがGOENの川村さんです。
川村さんとは、私がベトナム出張に行く度に、何度も当社の将来やベトナム事業のあるべき姿について対話を重ねました。
そんな対話の中で、大切にするべきキーワードが徐々に明確になります。
それは「縮小再生産をしない」ことです。
当社のような製造業がベトナム進出をする際、定石通りだとベトナム現地に工場を設立します。
もちろん、それで成功されている会社は数多くあり、当社も最初はその方向がいいのではないかと考えていました。

しかし、当社にはベトナムに顧客がいたわけではありません。では、ベトナムで新規顧客を開拓しようとするかというと、費用対効果として見合うのかという問題があります。
折角、時間も情熱もかけて、ベトナムで事業を立ち上げるわけですから、日本本社だけでは出来なかった大きなことをしたい。
そのために、日本にいてもできるようなことを、規模を小さくして行うことはしません。
ベトナムのサプライヤー・顧客・当社の ”3つのWin”を目指して
「縮小再生産をしない」ことを決めると、それからどんどん当社のベトナム事業の輪郭がはっきりしていきます。
まずは、当社でベトナム工場を持たず、ベトナム人経営者が運営する工場への委託生産を決めます。
もちろん最初からうまくは行きません。
しかし、日本で半世紀以上、部品加工を営んできた私からすると、工夫さえすれば、日本の顧客にも 「品質·コスト·納期面」で必ず満足してもらえるものがつくれる……! そう確信していました。
特に意識していたことが「3つのWin」を実現です。
当社のベトナム事業は、一見すると商社さんが行うような委託生産業です。この委託生産事業では、大きく3社「①サプライヤー(委託先)·②当社(委託元)·③顧客」が登場します。
この構造でよく起こる問題が「誰かが泣きを見る」ことです。
それでは、長期的な関係をつくれず、事業も長く続ける事ができません。特にベトナム企業への委託生産事業では、サプライヤー側が泣きを見ることがよくあります。
当社は、それだけはしない。
3つのWinを実現するために、ベトナムのサプライヤーと顧客の間に立ち、日本で培った当社のモノづくりの考え方を注入していきました。

具体的にはベトナムのサプライヤーはもちろん、当社の事務所で採用したベトナム人社員にも入念な教育を行い、慎重にすすめました。
*この時、当社のベトナム事務所を立ち上げる際も、GOENの川村さんには色々と相談の上、採用から育成までお手伝いを頂きました。その関係は今なお続いています。
結果、ありがたいことに少しずつベトナムのサプライヤーとのネットワークも広がり、今では素晴らしいサプライヤー·顧客とともに仕事をさせてもらっています。
「血が通ったモノづくり」をベトナムと日本で実現する
「縮小再生産をしない」「誰かが泣きを見ることはしない」といった「やらないこと」を決め、それに沿って事業を進め、約10年が経過。
お陰様で10年前では見えなかったような景色を今、見る事ができています。
特にうれしいことが「血が通ったモノづくり」が出来つつあることです。
一人ひとり、1社1社とのお付き合いを深めていく中で、日本だけでも、ベトナムだけでも実現できない、日本とベトナムの間だからこそできる「血が通ったものづくり」が実現しつつあります。

もちろん、まだまだベトナムのポテンシャルは未知数。
もっともっと末広がりに伸びていきます。
その勢いに負けないよう、当社も引き続き、尽力します。
GOENの川村さんとは、10年以上のお付き合いになりますが、これからも当社の事業発展を共に成し遂げていくパートナーとして更に深く、お付き合いを頂けることを期待しています。